Profile

フルーティスト 大久保祐奈皆さんは、フルートというと、どんなイメージが思い浮かびますか。
優雅で、綺麗な音が出て、表情豊かで、速いパッセージが得意そう…私はそんなイメージでフルートを習い始めました。始めてみると、そう簡単にはいきませんでした。息はたくさん必要で、練習していると酸素が足りなくてクラクラ。指は難しくて思い通りに動かない。音程は合わないし綺麗な音もなかなか出ないし…。当時、平行して習っていたピアノの方が、思い通りに弾けて、楽しいじゃないか!そう思ってしまうときもありました。

それでも憧れてはじめた気持ちを失うことなく、フルートを続けていくうちに、思いがけず綺麗な音がなったとき、少しずつ高い音を吹けるようになったとき、人とのアンサンブルで美しいハーモニーを奏でられたとき、 喜びとともに心躍るような“楽しさ”を感じることが増え、フルートの魅力にどんどん惹かれていきました。もともと歌が好きだった私は、歌うようにフルートを吹きたい!そう思うようになり、そのためにはなにが必要か、考えるようになりました。豊かな音楽性や表現、そしてそれを実現するための技術。この2つが合わさったとき、思い通りの音楽ができるのではないかと思っています。

自分自身で理想とする演奏すると、それができたときに生まれる自分の感情をイメージとして持ち、少しでも進歩したらそのことを喜んでください。そんな小さな感動と少しの自信を積み重ねていくことが上達への近道です。なかなかうまくいかない時があっても大丈夫です。

様々な生徒さんと関わる中で、「基礎練習が嫌い。」「長い時間練習したくない。」そんな声がよく聞こえてきます。基礎練習は、なんのために必要なのか?どんな効果を期待して練習するのか?どうしたら効率よく練習できるのか?その打開方法は、十人十色。ひとりひとり少しずつ違います。一緒に考えて見つけ、楽しくフルートを学んでみませんか。

最後に・・・
私にとって、兵庫芸術文化センター管弦楽団に在籍した3年間は、とても大きな意味を持つ経験でした。大人数ならではの迫力やうねり、美しいハーモニーの中にいる気持ちよさ、言葉にできない感動を何度も感じました。身も心も深い充実感、幸福感に満たされ、このままずっとこの中で演奏していたい、と感じました。そんな瞬間を共有できることが、アンサンブルそして音楽の素晴らしさだと思います。
今日まで培ってきた経験を生かして、あなたの感性を大切に、あなたの中に溢れてくる音楽をそのまま表現することのお手伝いと、一緒に音を紡ぐ素晴らしいひとときを体験してもらえれば、私もうれしく思います。

sashie_1

講師経歴

1992年生まれ、京都市出身。
4歳よりピアノ、10歳よりフルートを始める。
京都市立京都堀川音楽高等学校を経て、東京藝術大学を首席卒業、東京藝術大学大学院を修了。2016年より2019年までの3年間、兵庫芸術文化センター管弦楽団にコアメンバーとして在籍。2018年より母校、京都市立京都堀川音楽高等学校の非常勤講師。2019年より、再び拠点を京都に移し、初心者の方からプロを目指す方まで、幅広くレッスンを開講。