綺麗な音が出せない…雑音をなくしたい…!

フルートのレッスンをしていると、このような質問が1番多く寄せられます。フルートを始めるにあたって、やっぱり“音色”が決め手になった方は多いのではないでしょうか。当然、自分の音色も憧れに近づけたいですよね。
私も少し前まで、自分の音にコンプレックスがありました。友人の透き通った明るい音が羨ましくて、自分の音が重く、暗いように感じてしまう…。雑音も気になり始め、自分の音と向き合うのが辛い日々が続きました。でもだんだん、(語弊を恐れずに言うと…)開き直れるように(!)なっていきました。持っている音それ自体が個性であるのだから、あとは持って生まれたその個性をどう使うかを考えよう、と発想を変えてみました。そうすると、重くて暗いと感じていた自分の音を、しっかり響いた、あたたかい音と言い換えられるのかもしれない、等、前向きにも感じられることが増えました。また、“綺麗な音”というのは曖昧で、曲によってもホールによっても“綺麗”と感じる要素は変わってきます。1つの尺度にとらわれずに、自分の持つ音を受け入れて、それ自体をより魅力的にするために努力してみてはいかがでしょうか。

さて、音色の向上のための1つの練習方法を提案します。まずは、自分がフルートを吹く中で、1番“いい音”と思える音を探してみてください。例えば、塞ぐキーが少ないHの音。あるいは、たくさんのキーを塞いで出す、中音のDの音。自分の1番得意な音を使って、今の自分が出したい音を明確にイメージして、息を出してみてください。澄んだ音、どっしりした音、潤った音…その音は、色んな言葉を使って表すことができるかもしれないし、言葉では言い表せないけれど想像上で響いているのかもしれません。その理想の音に限りなく近づいた音を鳴らせたな、と思ったら、スラーのまま、隣の音も吹いてみてください。それを隣へ、隣へと繰り返し、音域を広げていきます。モイーズ先生は、“ソノリテについて”という著書の中で、これに似た練習について「長い音が美しく思えるたびに、それをまた同じように響かせるためにすばやく息をとり、同じ音色で次の音を得るように努めることである」とおっしゃっています。同じ音色で次の音を得て進んでいけば、最初に見つけた1番いい音を、全音域で出せるようになります。
“ソノリテについて”は、素晴らしい教則本ですので、私の拙い説明だけではなく、この本をぜひ熟読して理想の音を見つけてみてください。また、前述にもあるように、音色は1種類ではありません。いろんな音のパレットを使って表現の幅を増やしていきましょう(お互いに!)。

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