オーケストラや吹奏楽部に所属する人の多くが、レッスンで「音程を合わせられません」と口にします。音程は、アンサンブルするときに最も重要な要素の1つです。

私もオーケストラに入り、音程の難しさをとても強く感じました。自分にとって「いい音」と、「音程のいい音」が必ずしも一致するわけではない、一致する段階までたどり着いていないと自覚しました。原因は、2つありました。1つはそもそもいい音程を知らなかった。もう1つは、音を出すことで精一杯になってしまって、周りの音を聞けていなかった。すると、周りの響きの中に入ることができず、調和を乱してしまうことになります。この状態が重なってしまうと、自信を持てなくなって大きな音を出せない、という負のスパイラルにもつながりかねません。今でもまだまだ苦労することもありますが、改善につながった方法を少しだけ、紹介したいと思います。

先述した、1つ目の原因を克服するためには、「いい音程を知ること」。ロングトーンをしているとき、チューナーを使っている人は多いのではないでしょうか。反対に、チューナーは見るな、と言われたことがある人もいるかもしれません。真逆の言葉のように聞こえますが、私はどちらも正解だと思います。そう、上手にチューナーとお付き合いする必要があるのです。まず、チューナーをずっと見ていたら・・・意識的に音程の真ん中を狙うようになります。そのとき、自分の音を聞いていますか?ただ機械の真ん中を狙うゲームのような練習になってはいませんか。反対に、チューナーを全く見ずに練習していたら・・・気が付かないうちに、自分に都合のいい音程で音を伸ばしてしまっているかもしれません。

そこでオススメは!
まずは、チューナーを見ないで自分の思う「いい音」を吹く。音程にとらわれずに、音質にこだわって「いい音がなったな」と思ったとき、チューナーを見てみてください。自分の「いい音」が、高いのか、低いのかを知る瞬間です。それを知ってから、次のステップに進みます。今の音質をできるだけ保ったまま、音程をチューナーの真ん中に近づけていきます。その音程を覚える。耳に、唇に、体全部に覚えさせる。覚えたら、楽器を離しましょう!一息ついたら(この一息が大事です)、チューナーから目を離した状態で、さっき覚えた感覚を呼び起こし、音を出してみましょう。これだ!と思う音質と音程になったとき、答え合わせです。チューナーを見てみてください。どうでしたか??真ん中に近づきましたか??まだ少しずれてしまっていたら、また、音質を保ったままチューナーの真ん中に近づけて、真ん中まで来たら、楽器を離す。一息つく。・・・と、これを繰り返します。答え合わせした音がチューナーの真ん中になったら、次の音のロングトーンにうつりましょう。同じように各音で答え合わせを繰り返します。これを毎日続けることで、自分の音程感と、正しい音程との距離が縮まっていきます。いい音でいい音程で吹けることが1番健康的ですよね。健康に演奏するため、音程を味方につけましょう!

次回は2つ目の原因、「周りの音を聞けていない」についてお話したいと思います。

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